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みちのくの町はいぶせき氷柱かな
昭和5年作。「ホトトギス」初巻頭(昭和5年5月号)。
「いぶせし」の漢字表記は「鬱悒し」。 鬱は木々がとじこめられてこんもり茂ること、悒は心が狭い枠の中に押し込められて伸びないことを表し、2つあわせて「うっとうしい、むさくるしい。気味が悪い」という意味になるようです。 ただ広辞苑によれば、うっとうしさの要因は「恋しさ、待ち遠しさなどのため気分が晴れ」ないことにあるようですから、単に「汚い」というのとはニュアンスが異なるのだと思います。 青邨は自解に、 「木の土台を直接地面に据えて、その上に建てた低い家、それが長屋造りで、柾で葺いた屋根、石をのせたりしている、もう古くなって真黒く、中には軒の傾いたものもある」と町並を描写し、 「ただそうきたないと決めつける中にも何かあわれという感情が入っているような気がする」と筆鋒をゆるめ、 「氷柱は清らかで透明で、白く、朝日でも射せば金殿玉楼の趣がないでもない」と結んでいます。 愚息が、山妻が、と謙遜しながら身内自慢をする心情に、どこか通うものがありはしないでしょうか。 それにしても、どれほどの人が、何の含みもなくふるさとを讃えることができるでしょう。 一茶や、啄木、犀星らは極端な例と言えましょうが、万感の末に、それでもなお魂のたち戻るところがふるさとなのかもしれません。 「みちのく俳人」と呼ばれた青邨には、あまたの「みちのく」俳句がありますが、この句は「ホトトギス」で初巻頭を占めた記念碑でもあります。 同年6月には主宰誌「夏草」を創刊。脂ののった38歳でした。 【季語】氷柱〈冬〉 (正子) ♪ ♪
by zassoen24
| 2012-08-02 12:17
| 『雑草園』
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