人気ブログランキング | 話題のタグを見る

青邨の句集を読む
by zassoen24
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
全体
『雑草園』
『雪国』
『露團々』
未分類
以前の記事
2023年 01月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 03月
2020年 06月
2020年 05月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 02月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2016年 06月
2016年 04月
2016年 01月
2015年 05月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
最新の記事
玉蟲の羽のみどりは推古より
at 2023-01-07 17:41
亂菊やわが學問のしづかなる
at 2022-08-27 17:15
炎天の松の下にて待つ人等
at 2022-07-20 17:48
野菊濃しされど海より淡かりし
at 2022-04-25 22:18
女だちおしやべり金魚浮き沈み
at 2022-03-20 19:22
外部リンク
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


捨てられし小猫拾ふや樹下石上

昭和11年の作
とても分かりやすい句意。青邨の生活圏にはかなり穏やかな時間の流れがあったようだ。実際の人物を知る銘子さんとは別に、私は句を通してのみの出会いであり、これもまた楽しからずや…と思う。

「小猫拾ふや」で切れている。拾った子猫に強い関心があることがうかがえる。その後の措辞が青邨流である。「樹下石上」と詠ったのには生きものの尊厳を窺わせるのに十分な表現であると感じた。草むらの中や段ボールの中では無いところが尊い。拾ったとは言え、樹下石上に居た猫であると・・

実際はどうであったか解らないが、溝の中で痩せ細って鳴いていた子猫かもしれない。しかし大きく考えれば、近くに大きな木があれば樹下だし、大地に居たと言うことで石上としてもとらえられる。そこが詩情なのだと思う。

温かで、穏やかで、さらりと詠われているがきっちりとした構成になっている。 

昭和十一年前後、この頃無季俳句が盛んになっている。高浜虚子を始め山口青邨の周りには高野素十、水原秋桜子、山口誓子、中村草田男、日野草城などなど虚子の直接指導の元、名をはせていく俳人がぞくぞく。
凄かったんだろうなぁ!!!
名前を羅列するだけで、呼吸困難になりそう!
この方々が、同時代に同居していたわけで、俳句の火花が盛大に飛び散っていたんだろうなぁ!

青邨氏がのんびり、ゆるりと俳句を作っていたのではないことがわかる。
しっかりと読みこまないと、オイテケボリになりそうだなと思う次第であります。

【季語】 小猫  春          展子
by zassoen24 | 2013-05-16 22:50 | 『雪国』
<< みちのくの如く寒しや十三夜 濡れてゐる卵小さき浮巢かな >>