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啄木の映画街にありほととぎす
<ほととぎす>は夏の季語。しかも詠題としては四季の内、夏を代表するほどの有名かつ古くから詩歌に最も頻繁に使われてきた。ちなみに春は<花>、秋は<月>、冬は<雪>。
雪・月・花に肩を並べる詠題なのです。 時鳥も子規も杜鵑も蜀魂も杜宇も不如帰もみな(ほととぎす)と読む。 田植えの時を告げる鳥でもあるし、古くからその鳴き声を愛でる文人の魂を揺さぶるほどの存在でありながら、うっかり屋の鶯に托卵をする卑怯旋盤な鳥でもある。 中国の故事から「冥途の鳥」とも考えれれていた。少々複雑な存在なのである。 さて啄木であるが・・・・ この方も知れば知るほどアブノーマルな天才か?と思われる。26歳で早世したが小学生の教科書にも出ているほど有名な短歌を数多く残している。 御存じとは思われるが ・たはむれに 母を背負いて そのあまり 軽き(かろき)に泣きて 三歩あゆまず ・はたらけど はたらけど猶 わが生活(くらし) 楽にならざり ぢつと手を見る ・友がみな われよりえらく 見ゆる日よ 花を買い来て 妻としたしむ ・ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく なかなか実直な青年を思わせる歌であるが、時に妻子を顧みず遊興のために膨大な借金を重ねて実直とは遠い印象である。しかし金田一京助を親友とし、与謝野鉄幹などとも親しみその人間関係の広さに驚く。 青邨先生は啄木の歌も人生も知っていたに違いない。(啄木の映画)とあるからにはその作品ではなくその人生をさらりと提示している。啄木の歌はこの句のBGMとなって流れてはいるが娯楽である映画となって俳優が演じている啄木の人生と言うところが俳句の味ではないかと思える。映画と言うフィルターを掛け、それが上映されている街と言う場所設定で、さらに啄木の作品を生んだ人生の原動力をフィルターに透かしている。 最後に啄木享年26歳。妻も子供たちも早くにこの世を去っている。ほととぎすが初夏を告げる鳥であり、また冥途の鳥ともいわれていたことを考え合わせるとほととぎすと言う季語がしっかりと句を覆い尽くしている感がある。 十七文字の句に盛り込まれたものの大きさと深さを感じさせていただいた。 季語:ほととぎす 夏 展子 ◆◇◆◇ □
by zassoen24
| 2016-01-30 17:30
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